今日も農耕的に仕事をした。
・アメリカから仕事の依頼が来た。
今度もアンソロジーというかe-マガジン。ホラーの短編をくれ、という依頼なり。
喜んで引き受ける。
・『追ってくる』という短編を送ろうかと考えている。
名と実のバランスの取れない仕事が今年は多い。
・最近、時々、猛烈なデ・ジャ・ヴューに襲われる。疲れのせいか??
・国内の仕事はなかなか進まず。心の底のほうに色んな悩みがわだかまっているせいではなかろうか。
・割り切って自分を削るのが「仕事」というものだが、小説を書くという作業には割り切れない部分が大きい。「ちゃっちゃっと書く」ことが出来ない私の性質もある。
・有馬頼義の『兵隊やくざ』を仕入れた。まず読みはじめた正編、抜群に面白い。冒頭の50ページで何度笑ったか分からない。有馬作品を読むのは考えてみればこれが初めてか。有馬伯爵家
に生まれながら貴族社会に反発し、小説で原稿料を稼いだために早稲田の高等学院を退学処分にさせられて、徴兵された陸軍の幹部候補にもならず、一兵卒として北満にいた有馬の反骨が作品
のいたる処からにじみ出ている。
・映画版では、兵隊やくざの大宮貴三郎を勝新太郎が演じていたが、恐らく、勝新こそ最高の大宮二等兵役だろう。
・前半、語り手の≪私≫(映画では田村高廣が演じていた)が北満の辺境にいる日本兵や芸者や、やくざや、暴力的な上官について延べたこんな文章が心に残った。
「ここには多分、幸福な人間は一人もいないのだ」
「みんなが、それぞれの不幸の中で、生きようとしていたのだ」
・これこそ、有馬頼義の反戦文学者としての卓越した視点であろう。
ユーモア小説でありながら『兵隊やくざ』は優れたエンターティンメントであり、優れた反戦文学であった。
・可能なら、有馬頼義のような反骨と、朝松健を朝松健たらしめている反=時代の視点をいつまでも忘れずに時代小説を書き続けたい。
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