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2011/02/17

風雲千早城(1485)

今日も農耕的に仕事をした。

詩と批評の専門誌「ユリイカ」で【ラヴクラフト特集】が為されたのは1984年10月号だった。当時、国書で定本ラヴクラフト全集を刊行しようとしていたので、これは最高のパブリシティーになった。
このときの特集記事の執筆者は、[以下・敬称略]紀田順一郎、由良君美、矢野浩三郎、鈴木聡、秋山さと子、田中光二、朝吹亮二、S・アーマンド、 大橋洋一、丹生谷貴志、深田甫、那智史郎、鎌田東二、宮壁定雄、天野哲夫、さらに荒俣宏さんと笠井潔さんが「悪夢よりの帰還」と銘打った対談をしており、 私も本名で記事に参加している。さらに、ラヴクラフトの本邦初訳作品として、「アーサー・ジャーミン卿の秘密」「名状しがたきもの」「あの人」が収録され た。

今見ても堂々たる執筆陣である。ラヴクラフト作品の翻訳分は定本で収録した作品を融通した。また、必要なイラストや書影、関連人物の写真なども、私が手配した。

この特集のために急遽、ラヴクラフト作品を再読したり、初めて接した方もいらっしゃったのではなかろうか。事実、国書編集部の私の元に「ラヴクラ フトは××について知っていたのか」「××は読んでいたのか」といった質問の電話があったり、「ラヴクラフトの本を献本してくれ」といったご要望もあっ た。

今思えば、1984年は、日本で最初に、ラヴクラフトというアメリカのパルプ作家が、文壇的な批評の対象になった年として特記すべきなのかもしれない。

・・・森瀬綾さんのツィッターで、『文藝春秋』三月号において、芥川賞作家・朝吹真理子氏が「インスマウスの影」を夜読むべき本として勧めていると知り、ふと、そんな26年も昔のことを思い出した次第である。

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コメント

こんばんは。私がゲームとしての『クトゥルフの呼び声』を知り、「クトゥルフハンドブック」を基に収集し始めた中の一冊、「ユリイカ」にまつわる話を知り、尚更、ささやかな蔵書ではあるけど、大切にしていきたいと思いました。それにしても、「真ク」「定ラヴ」のケース付きは再版しないのでしょうか?本棚の隙間が見苦しくて、胸が痛いです…。

投稿: 這い寄る混沌(手塚敬子) | 2011/02/18 01:39

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